認知症


認知症外来イメージ画像

認知症は、さまざまな原因によって脳の神経細胞が障害されることで、精神障害や行動障害が出る状態をいいます。

認知症になると症状が徐々に進行し、判断力の低下や日常生活にも影響を及ぼすようになります。

 

加齢にともなって脳が老化しておこる「物忘れ」とは区別しています。

症状

アルツハイマー型認知症

記憶障害

食事をしたことを忘れる、トイレに行ったことを忘れる、等
判断力の低下 料理の仕方、掃除の仕方が分からない等、日常行動の判断ができなくなる
失認、失行 日にちや家までの帰り方が分からない、等
感情障害 抑うつ感や妄想、暴力、無気力、等
徘徊 自分がどこにいるのか、なぜここにいるのか分からなくなっておこる

レビー小体型認知症

認知機能の低下

時間や場所の認知が分からなくなるなど、認知機能が低下します。一方、判断力や理解力などがはっきりしているときもあり、良いときと悪いときとの差がある
幻覚、幻視 見えるはずのないものが見えたり、人形を人間と見間違ったりするなどの錯視がある
パーキンソン症状 動作がゆっくりになる、無表情になる、前かがみで小刻みに歩く、等
レム睡眠時行動障害 眠っているときに大声を出す、奇声を上げる、暴れるなどの睡眠障害がある

脳血管性型認知症

認知機能の低下

記憶力や計算ができないなどの障害があっても、判断力はある、出来るときと出来ないときがあるなど、まだら認知症が特徴
感情障害 突然怒ったり泣いたりするなど、感情のコントロールができなくなる
身体症状 障害された神経の場所によって、手足の麻痺や感覚、言語の麻痺など

原因

認知症の原因で多いのは、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症の3つです。

アルツハイマー型認知症

認知症の半分以上がアルツハイマー型の認知症で、女性に多く、日本では増加傾向にあります。進行は緩やかですが、徐々に進行が見られます。原因は、特殊なたんぱくが脳神経細胞に蓄積することで、脳が萎縮、障害されて起こります。

レビー小体型認知症

脳の神経細胞に、レビー小体という異常なたんぱくが溜まることで起こります。アルツハイマー型認知症に続いて多い認知症で、75歳以上の男性に多いことが知られています。症状は、良いときと悪いときを繰り返しながら、徐々に進行していきます。

脳血管性認知症

脳梗塞や脳出血などが原因で、脳内の血流が途絶えて脳神経が障害されることで起こる認知症です。脳が障害される場所によって症状が違い、良くなったり悪くなったりしながら段階的に進行していきます。男性に多いタイプです。

対策

認知症は、早期発見し早期治療することで、進行を少しでも遅らせることが第一の目標です。家族の行動が何かおかしいと感じたら、すぐに医療機関を受診し相談するようにしましょう。

 

認知症の治療は、まだ確立されたものはありません。症状を軽くしたり、遅らせるための治療が中心となります。治療には薬物療法や周囲の関わり、生活習慣の調整や音楽、運動療法などを組み合わせて治療をおこなっていきます。

 

家族の負担もかなり大きくなるので、家族会や家族をサポートするためのさまざま取り組みがなされています。家族だけで悩まず、行政サポートなどをうまく利用することが大切です。