心疾患


心疾患とは、心臓に起こる病気の総称で、「虚血性心疾患」が大部分をしめます。

虚血性心疾患とは、心臓の筋肉への血流が悪くなることで、筋肉が酸素不足・栄養不足になってしまうことです。  

主に狭心症、心筋梗塞の二つの病気があります。

狭心症

狭心症イメージ画像

狭心症とは、心臓に栄養や酸素を送る冠動脈が細くなることで、突然、胸の痛みや胸の圧迫感などの症状を感じる病気で、症状は長くても15分以内には消えてしまうことが特徴です。

症状を誘発する原因や症状の経過によって、以下のように分類されています

  1. 労作性狭心症 : 運動したり体を動かしたときに症状が出るもの
  2. 安静時狭心症 : 就寝中や明け方など安静時に症状が出るもの
  3. 安定狭心症 : 3週間は症状が安定しているもの
  4. 不安定狭心症 : 3週間以内に発症しているものや症状が頻繁に起こり悪化してきているもの

症状

痛みの症状は胸以外にも胃や背中、首~左肩などに感じる場合もあります。

冷や汗や嘔気、嘔吐、呼吸困難を感じることもあります。

  • 突然の胸の痛み
  • 胸の圧迫感
  • 胸が締め付けられるような感覚
  • 胸が焼けるような灼熱感

原因

加齢や高脂血症、高血圧、肥満、喫煙、ストレスなどが原因となり、血管の中にコレステロールが溜まったり、血管が硬くなったりすることで内腔が狭くなり、血液の流れが悪くなることで起こります。他にも心臓の血管が異常収縮(痙攣)を起こして起こる場合もあります。


対策

症状があれば、すぐに医療機関の受診が必要です。症状が治まっても必ず病院を受診し、検査と治療を受けましょう。放っておくと症状が悪化したり、頻繁に症状が起こるようになり、心筋梗塞に進行することがあります。

 

また、日常生活では禁煙をおこない、過度なストレスや疲労も避けるようにしましょう。塩分や糖分、脂肪分を摂り過ぎない、バランスのよい食事や適度な運動も必要です。

心筋梗塞

心筋梗塞イメージ画像

心筋梗塞とは、心臓に酸素や栄養を送っている冠動脈が完全に閉鎖することで、心臓に血液が行き渡らなくなり、突然の激しい胸の痛みや呼吸困難などの症状が15分以上、ときに数時間続くことをいいます。

 

心筋梗塞と狭心症との違いは、血管が狭くなった状態(狭心症)か血管が完全に詰って心臓の筋肉が壊死してしまっている状態(心筋梗塞)かの違いです。

 

 

心筋梗塞が発症して3日以内のものを急性心筋梗塞、発症から30日以上経過しているものを陳旧性心筋梗塞として分類しています。

症状

  • 安静時、運動時に関わらず胸の激烈な痛み
  • 胸の灼熱感
  • 胸が締め付けられる感覚
  • 動悸
  • 息切れや呼吸困難
  • めまい
  • 脱力感、不安感
  • 冷や汗
  • 吐き気や嘔吐

原因

動脈硬化の進行や、血管壁に溜まっていたコレステロールが破裂することで血栓ができ、血管を詰らせることによって起こります。


対策

症状を感じたら、すぐに救急車を要請してください。ただちに詰っている血栓を溶かす治療や、詰まってしまった血管を広げる処置と、絶対安静のための入院が必要です。症状が安定してきたら、2~3週間の入院をおこなって、徐々に行動範囲を広げるリハビリをおこないます。

 

退院してからも、禁煙や過度なストレス、疲労を避け、食生活の改善と高血圧、高脂血症、肥満などの生活習慣の改善をおこなう必要があります。また、症状によっては医師の指示に従って、行動制限が必要な場合もあります。

不整脈

不整脈イメージ画像

不整脈とは、脈がリズム正しく打たなかったり、脈が飛んだり、異常に速くなったりする病気です。

症状

症状が軽度な場合は自覚症状がなく、心電図で初めて不整脈があると言われるケースも多いですが、症状が強い場合は、以下のような症状を起こすことがあります。

  • 動悸
  • めまい
  • 胸の不快感や胸痛
  • 息切れ
  • 疲れやすい
  • 意識の消失など

不整脈は誰にでも起こりうるもので、軽症で自覚症状がなく経過観察でよいものから、症状が強く、生活に支障が出るものや、突然死を引き起こすものまで幅広くあります。

原因

心臓に栄養や酸素を送る冠動脈に疾患のある人や、心臓弁の障害、心不全や先天性の心疾患など、心臓に疾患を持っている人が、病気に引き続いて不整脈を起こすことが多いです。

 

心臓に疾患を持っていなくても、加齢や体質、ストレス、疲労などが原因となって引き起こされる場合もありますし、薬の影響で不整脈を起こすこともあります。


対策

症状がある場合は、早めに病院を受診し、検査を受ける必要があります。また、検診などで不整脈を言われた場合は、医師の指示に従って、定期的に心電図検査を受けるようにしましょう。特に心臓に疾患のある人は注意するようにしましょう。

 

治療は経過観察でよいものから、抗不整脈薬などの投薬治療、カテーテルによる治療、突然死を予防するために埋め込み式徐細動器を埋め込む治療、徐脈を予防するために心臓ペースメーカーを埋め込む治療など、原因や症状に合わせてさまざまあります。

 

ほかにも、日常生活ではアルコールや喫煙、カフェインを含むコーヒーなどは控え、ストレスや過労、睡眠不足も避けるようにすることが大切です。